えことら -Economy Traveler-

船で働いて休暇は海外!そんな生活に興味ありませんか!?

海上技術学校・海上技術短期大学校の寮生活

国土交通省の船員養成学校である海上技術学校(高校に相当)及び海上技術短期大学校(短大に相当)では、学校が比較的僻地にあることや、航海実習や船員として働くうえで共同生活をする必要があることもあり、ほとんどの学生が寮生活を送ることになります。そこで、この寮生活の実態について紹介したいと思います。なお、筆者は2013年に卒業していますので、この記事の情報はほぼ2013年までのものになっています。2019年現在では施設やルールなどが変わっている可能性がありますので、参考程度にしてください。

 

寮での食事

決められた時間に3食とることになります。平日授業のある日の昼食は、寮生も通学生も寮の食堂で食事をとります。週末については毎週事前申告でキャンセルすることが出来、キャンセルしなかった分を毎月療食費として納めます。

メニューは1種類で選ぶことはできませんが、みそ汁やスープなどの汁物とご飯についてはお変わりが自由です。

食事用のお茶は当番が事前に作ります。

 

寮の消灯時間

22時消灯です。電気を消すのではなくブレーカーを落とすのでエアコンも止まります。スマホの充電や温度調節は消灯前に完了して寝ないといけません。清水の寮ではブレーカーを落とさないという話を聞いたことがあります。

21時もしくは21時30分(うろ覚えです、すみません)に巡検があるので、この時間には部屋に戻り整列して巡検を受けなければなりません。

後述しますが、巡検に間に合わなかった場合は減点の対象となります。

 

週末の外泊

授業のない週末には外泊申請を出して、許可を受けることで寮外で外泊できます。私の時は通学生のアパートや、インターネットカフェでも許可が出ていました。

自転車でしまなみ海道を走破して本州で泊まって日曜日に復路を走破したり、石鎚山に1泊2日でアタックして帰ってきた人もいました。

週末ではないですが、上級筆記試験や就職活動の面接などでも公欠で外泊許可をとることが出来ます。

 

寮点の減点

船員生活での協調性を養うという側面から、寮則や校則に違反すると原点を受けることになります。

20点満点で始まり、帰寮遅れ(巡検に遅刻する)、脱寮や無断外泊、掃除などの当番に参加しない、未成年の喫煙、消灯時間後の盗電(廊下など公共区域のブレーカーは落とされないため)などで減点を受けます。

0点になると強制退寮となります。内申点に響きますが、就職活動に時に退寮処分を受けたことを通達されるかははっきりしません。

退寮処分を受けると、自分で部屋を借りて通学しなければなりません。寮にいると窮屈な面も多々ありますが、お互いに遅刻やサボりをしないように支えあうことが出来る面があります。宿題や定期試験などでも助け合えるので、突然退寮になると、これらのメリットを失い、成績が下がったり、出席日数が足りなくなるなどで留年や自主退学になるケースが結構あります。

 

当直当番

2名ずつ1週間交代で当直当番が回ってきます。当番期間中は当直室に移動して生活しながら、当番教員と一緒に朝夕の巡検や、寮内の放送、寮に届いた手紙や荷物の取り次ぎなどを行います。

数少ないメリットとして当直室は24時間電気が使えます。

 

荷物の受け取り

寮止めで荷物を送ってもらうことが出来ます。Amazonなどで購入して寮に送付することも許可されています。荷物が届けば当直当番が受け取り、対象者を放送で呼び出します。試験の結果や内定通知なども寮止めで受け取ることになります。

 

ネット環境

自分が入寮していたころは就職活動用のパソコン以外にネット環境はなくWifiも飛んでいませんでした。

個人で契約してルーターを持ち込むことは許可されていましたので、年長者を中心に契約者がおり、契約者にお願いして使わせてもらっている人もいました。

 

寮生活のメリット

寮生活のメリットはいくつかありますが、まず寮費を払う必要はありますが、個人で部屋を借りるよりはずっと安く済みます。

また寮は学校の敷地内にあるので、通学時間はほぼなく、同級生同士助け合って遅刻などをせずに授業に臨めます。申告して鍵を借りる必要がありますが、忘れ物があっても取りに帰れます。

宿題や試験勉強を助けてもらえます。一番大きなメリットだと思います。卒業することではなく、それ以上に卒業して免許を取得して就職することを目標にみんな頑張るので、得意分野で助け合ったり、苦手な人に教えることで理解を深めることで目標に近づけます。

 

寮生活のデメリット

テレビがない、ネットがない、掃除当番や門限や消灯時間がある、というのがデメリットになります。ただしこれは寮生活を送っていなくても乗船実習では全員が同じ境遇になるので、普段からやって慣れているほうがいいかもしれません。

乗船実習だけでも窮屈なのに、という意見ももちろんありますが。

 

 

さて、海上技術学校及び海上技術短期大学校での寮生活について紹介しました。寮の老朽化や時代の変化などで、書いてあることから大きく変わっている可能性もありますので、参考程度にしていただければと思います。

就職すれば乗船期間中に割り当てられる居室は個室になります。部屋替えの時は仲の良いグループで申請することもできますので、2~3年の貴重な体験だと思って、前向きに寮生活を送ってもらえたらと思います。