えことら -Economy Traveler-

船で働いて休暇は海外!そんな生活に興味ありませんか!?

船乗りになるには

僕のブログを読んで船乗りに興味を持った、船乗りになりたい!という方、ありがとうございます。とてもうれしいです。それでは、船乗りになるにはどうすればいいかを教えます。

船乗りになる道は、学校へ行って国家資格を取るという方法が最も一般的です。学校で臨時試験が行われ、それに受験して免許を取ります。国土交通省の庁舎で行われる定期試験に比べて取得しやすい条件がそろっており、真面目に授業に取り組んでいればこの臨時試験で合格することができるでしょう。在学中に内定をもらっていても、この卒業時に行われる臨時試験で海技免状が取得できなかった場合、内定取り消しになることが少なくありませんので、注意してください。

それでは学校別に紹介していくので、興味のあるところを読んでみて下さい。詳しく知りたい方は各教育機関のサイトを見たり、問い合わせてみて下さいね。

 

目次

 

中学を卒業して進学する学校

まずは、中学を卒業して進学する学校です。その性質からほとんどが現役生になりますので、どの学校に進学しても高校生活+船の勉強だと思ってください。

水産高校

各県にある(はず)の水産高校は、海技免状のとれる学校としては最も数の多い学校で公立高校です。水産の勉強だけでなく海技免状や潜水士の免許など様々な海に関わる免許を取得することができます。海上技術短期大学への指定校枠のある高校も多いです。

200トン前後の実習船を持っていて、それでトロールなどの漁業実習を受けながら、海技免状の乗船履歴を取得します。遠洋実習でハワイへも行きます。学校で取得するのは4級海技士の航海もしくは機関になります。3級海技士の筆記をとることもできます。

商船高専

国立の高等専門学校高専)なので就学期間は3年ではなく5年です。システム科など海技免状を取得しない学科を選択すると船乗りになれませんので注意してください。高専は倍率・偏差値共に高いので、目指すならしっかり勉強しましょう。学年上位になれば商船御三家こと日本郵船川崎汽船商船三井へ就職することも夢ではありません、頑張りましょう。

現在日本国内には広島・大島・弓削・鳥羽・富山の5か所あり、俗に五商船と呼ばれます。それぞれの学校がお互いにライバル視して順位付けしていますが、就職において優劣はありませんので、好きなところを選ぶといいと思います。例外として学閥のある会社においては特定の学校出身者が内定をもらいやすいということがあるので、希望する会社が決まっているなら学閥を意識して選択した方がいいです。

商船高専は基本的に寮生活になります。最近はそこまで厳しくなくなったそうですが、最高学年の5年生は神として君臨し、1年生は奴隷のような扱いと、卒業生の同僚・後輩は口をそろえて言います。体育会系の社会ですので進学を目指すなら覚悟しておいてください。卒業生のいる会社に就職すると、社会人になってもこの上下関係が続くようです。

航海訓練所の乗船実習を3回行いますので、卒業して入社するのは5年の10月になります。そのうち1回は帆船でハワイにいきます。

海技免状は航海もしくは機関の3級を取得できます。また、同じ学年で2回留年すると退学になりますので注意!

 

海上技術学校

水産高校より商船に特化した国立の学校です。高校扱いなので3年間ですが、文部科学省管轄の学校ではなく、国土交通省管轄の学校ですが、学歴認定としては高卒と同等になります。

唐津口之津・館山・小樽の4か所があります。同じく寮生活となりますが、高専のような厳しい上下関係はあまりないようです。航海訓練所での乗船実習はありますが、海外へは行かず、国内航海になります。

取得できるのは4級海技士の航海もしくは機関ですが、6か月の追加実習がある乗船実習科なら4級海技士の航海と期間を取得することができます。

 

高校を卒業して進学する学校

次に、高校を卒業してから進学する学校で、大学や短大に相当します。普通科高校からの進学や、高認での受験も可能で、学校によっては浪人入学や社会人入学も珍しくありません。

 

商船科のある大学

国立としては東京海洋大学神戸大学、私立では東海大学などがあります。特に東京海洋大学神戸大学は、船乗りを目指す学校としては国内の最高学府となるので、最も入学が難しいといえるでしょう。その代わりに、名だたる船会社から引く手あまたです。一般企業でも、一流言われる会社に多数の内定者が出ています。

これらの大学生も降下訓練所での実習があり、高専と同じく帆船でハワイへ行きます。学生の人数が少ない海技大学校と合同で訓練航海になることがあります。

取得できる海技免状は、3級の航海もしくは機関です。

 

水産大学

こちらは水産庁管轄の国立の学校になります。航海訓練所での実習はなく、大学の船舶を用いて実習を行います。

 

海上技術短期大学

海上技術学校と同じく国土交通省管轄の国立の学校で、宮古・清水・波方の3校があります。地元の船会社に就職するのでなければ3校とも就職の優劣はありません。教育内容も変わらず、就職先も大きく変わりませんが、立地の問題なのか、毎年入試倍率が清水>波方宮古の順になっています。

短期大学という名はついていますが、文部科学省管轄でないので最終学歴は短大卒とはなりません。取得できるのは4級海技士の航海と機関です。海技大学校に進学することで、3級海技士の取得と、外航船員としての道が開けます。

こちらの学校も寮生活となりますが、短大なので2年しかないこと、2年を通して3回、計9か月の航海訓練所での実習があるので、寮で先輩後輩が顔を合わせるのは2~3か月だけです。恐らく商船系の学校で最も学年間の交流が薄い学校になります。先輩後輩の関係が煩わしい人にはいいと思います。就職したらそうもいかなくなりますが、学年間で高専のように上下関係を強いる雰囲気はなく、むしろ海技短大や水産高校の卒の年配の方は、若い後輩を可愛がってくれるケースが多いです。

航海訓練所での実習では、帆船にも乗りますが、海外へ行くことはなく、国内のみの実習になります。大学生・商船高専生と違い、実習実施時に19歳と20歳及びそれ以上が混在する為、長い実習期間で飲酒が禁止になりますので、注意しましょう。

2年という短い期間であることと4級海技士が取得できる点から、商船系学校の中で最も社会人入学の数が多い学校でもあります。30~40代の方も入学されて卒業と同時に就職していきます。

 

船の学校を卒業して進学する学校・教育機関

海技大学校とSECOJ(通称セコジ)などがあります。学生がさらなる学業の為に進学・受講したり、社会人になってからステップアップのために受講します。

海技大学校

水産高校や海技短大など4級を取得できる学校の卒業生が学業で3級の取得を目指して進学します。座学と実習、航海訓練所での実習を経て3級海技士の航海または機関を取得します。

 

船員雇用促進センター(SECOJ)

様々なコースがありますが、外航船員育成のためのコースがあり、20台で3級海技士を取得している者を対象に、外航船での実習のための船会社とのマッチングを行い、SECOJでの研修の後、マッチングした船会社の実際の商船に乗り組んで外航船での仕事を研修として実体験することで、修了後の外航船員即戦力として育成するコースです。

 

社会人になってからの養成機関

ほとんどが小型船舶免許の教習所や海技試験の筆記や後述の対策講座の学校ですが、一部にゼロから海技免状取得を目的とした口座があります。

尾道海技学院

海技試験や小型船舶の講習を行う民間の機関ですが、6級海技士免許取得を目指した口座があります。終了し6級を取得することで、航海士として、もしくは航海当直部員認定を受けて甲板手として就職しそれ以上の免許のための乗船履歴を得て航海士へとステップアップしていく道です。

 

その他の方法

海技免状という国家資格が無いと職員として船に乗り組むことができませんので、基本的には上記のような育成機関で勉強してから、免状を取得して船に乗ります。

但し、一部に例外がありますので例として挙げたいと思います。どちらもレアなケースになりますので、参考程度に見ていただければと思います。

 

一般大学を卒業して就職

船と関係ない学部学科の新卒学生を対象に、会社負担で海技免状取得のための訓練を受けてもらい船乗りとして採用するというケースが近年増えてきています。

但し、対象は国立の東京海洋大学神戸大学の商船学部卒業生の代替なので、採用されるには高い学歴が必要です。こちらも海技免状の筆記を取れないと取り消しになりますが、求められる学歴出身者なら問題なく取得できるでしょう。

 

免許を持たずに船に乗る

かつては一般的だったこのケースが今では非常に狭い門になっています。特に小さな船会社では自腹を切って新人を育成する金銭的余裕がなく、断られるケースが多いです。ですが、船乗りをしている友人からの紹介や船会社でメールや電話で熱意を伝えることで、見習いとして乗せてもらえることもあるようです。

これらの手段を使っても載せてくれる会社が見つからない、教育機関に入って学ぶ余裕がないといった場合には、奥の手になりますが、漁船に乗り組んで乗船実績を作り、甲板部当直部員の認定を受けることで、甲板手として採用してもらうことができます。この場合就職口は大きく広がります。

 

 異常が船乗りになるための道になります。

僕は普通高校を卒業後に海上技術短期大学へ行き船乗りになりましたので、海技短大についてはお教えすることができます。もし僕に聞きたいということでしたらanty0610@gmail.comまで気軽にメールしてくださいね。